【シヨン城の歴史】
アルプスの峰々に囲まれ、スイスとフランスにまたがる三日月形の美しい湖、レマン湖。古くから保養地として知られるこの湖のほとりに建つシヨン城は、その起源を中世初期まで遡る。
この城についての最古の記録は1160年のものであるが、お城が建っているこの地に人が住み着いたのは青銅器時代のことで、9世紀にはイタリアからアルプスを越えてくる商品たちに通行税や物品税を課すための関所が設けられた。その後、11世紀に最初の城壁が建造されてシヨン大司教の城となり、12世紀にサヴォイア伯国が領有してから大規模な拡張が行われ、13〜14世紀に最盛期を迎えた。
この城の名を一躍有名にしたのは、1816年にこの地を訪れたイギリスの詩人、ジョージ・ゴードン・バイロン。

彼の代表作である「シヨンの囚人」は、16世紀にサヴォイア公に捕らえられ、この城の地下牢に幽閉されたジュネーブの宗教改革者、フランソワーズ・ボニヴァルをうたったものである。地下牢の柱には、バイロンが書いたとされる「BYRON」の落書きが残されている。
【シヨン城への行き方・アクセス】
モントール駅からシヨン停留所までバスで約20分、バス停から徒歩3分。または、モントールから徒歩約30分。